冬が過ぎ、暖かな気候になると流通し始める新茶。今年はいつ入荷するのだろうと楽しみにしている方も多くいらっしゃいます。
新茶は1年の中でも収穫できる時期が限られており、他のお茶とは異なる特徴もあります。そんな「いまさら聞けない新茶の豆知識」についてご紹介します。
目次
新茶とは
新茶は具体的にいつ販売されるのか、また他の時期に収穫したお茶とどう違うのでしょうか。
以下ではそんな疑問にお答えします。
新茶の時期はいつ?
新茶は、その年に初めて収穫された茶葉を使用したお茶です。
別名「一番茶」とも呼ばれ、時期は4月中旬から5月にかけて摘まれたお茶です。
お茶の木は春だけでなく夏と秋にも茶葉を収穫できますが、これらは二番茶・三番茶などと呼ばれています。
どの時期に採れたものなのかをわかりやすくするために、収穫した順として一番・二番という呼び名で区別しているのです。
新茶の味は他とどう違う?
新茶は、さわやかでみずみずしい若葉の香りを持ち、濃厚でありつつフレッシュな味わいが特徴です。
お茶の木は冬の間、寒さに耐えるために成長を止めて栄養素を根にため込んでいます。
そして春になると一気に栄養素を吸収して新芽を出すため、新茶はビタミン・ミネラルなどの豊富な栄養と、豊かな風味を持ったお茶になります。
旬の時期にしか味わえないその風味から、「1年で一番おいしいお茶」と言われています。
新茶の楽しみ方
1年の中でも限られた時期しか飲むことができない新茶。だからこそ、おいしく味わえる最適な方法をぜひ知っておきましょう。
新茶をおいしく淹れるコツ
新茶のフレッシュさが際立つ淹れ方は次の通りです。
- 一人あたりティースプーン2杯程度の茶葉を急須に入れる
- 湯のみの8分目までお湯を注ぎ、70~80度に冷ましたあと急須にお湯をうつす
- 30秒ほど急須の中で蒸らすと新茶のさわやかな香りが楽しめるお茶に、40~60秒ほどおくとより深い味わいになる
- 3回ほど急須を回し、茶葉を開かせる。回しすぎはお茶が苦くなる原因なので注意
- ゆっくりと湯のみに注いで完成
新茶をおいしく飲むには、少し冷ましたお湯を使って茶葉の味わいを丁寧に引き出すのがポイントです。
より濃い味わいが好きな方は、茶葉の量を少し増やしてもいいですね。好みや気分にあわせて調節し、ぜひ新茶の香りや味を楽しんでください。
新茶が長く楽しめる保存方法
新茶に限らず、未開封のものは常温でも半年ほどは香味が劣化しませんが、品質良く保つには冷凍が断然おすすめです。
しかし、開封した後に冷蔵庫に入れると他の食品のにおいが移ったり、湿気による品質の劣化が進んでしまう場合があります。そのため、開封後は常温で保管し、1ヶ月を目安に飲み切りましょう。
茶筒やジップ付きの袋などに入れ、日光が当たらず温度変化が少ない場所に置くのがおすすめです。
新茶のおすすめの贈り方
新茶は自宅で楽しむ他、親しい人への贈り物としてもおすすめです。以下ではお祝いなどのシーン別の贈り方について解説します。
季節のあいさつとして贈る
昔から「初物は縁起が良い」とされていますが、八十八夜(立春から数えて88日目、日付では5月2日前後)に収穫された新茶は特に縁起物と考えられてきました。
八十八夜に収穫した新茶を飲むと寿命が延びるという考え方もあることから、季節のあいさつとともに「元気にお過ごしください」という願いを込めるのもいいですね。
離れて暮らす親戚や祖父母などへの贈り物として最適です。
お祝いとして贈る
進級・進学・就職などの新天地への旅立ちのお祝いとして新茶を贈るのもおすすめです。
「緑茶は香典返しに使われるので、祝いの場に適さないのでは?」と考える方も一部いらっしゃるようですが、一方でお祝いとしてお茶を贈る習慣は昔から日本全国に広がっています。
場面を選ばない万能なギフトとしてお茶を選ぶ人は多く、マナー違反にはならないのでご安心ください。
フレッシュな香りと味の新茶は新しい門出にぴったりなので、新天地で頑張る人へエールとともに新茶を贈ってみてはいかがでしょうか。
御礼やお土産としてお菓子と一緒に贈る
縁起物の新茶は、引き出物や目上の人への贈り物・手土産にもおすすめです。お茶と一緒に楽しめるお菓子をセットにすると、よりギフト感が増します。
お茶によく合う和菓子や、甘いものが苦手な方には豆菓子・おせんべいなどの米菓を選ぶなどのバリエーションもつけられます。
まとめ
この記事では、新茶が出回る時期やおいしい淹れ方、ギフトとして贈る際のポイントについて紹介しました。
1年の中でも特別な風味が味わえる新茶は、栄養価が豊富に含まれるだけでなく、季節の移り変わりを感じられる初物として昔から親しまれてきました。
皆さんもぜひこの時期だけの新茶のさわやかな香りを楽しんでみてください。