冷たくてさっぱりとしたのど越しの良い冷茶は、暑い季節にぴったりの飲み物です。ガラスの器に入った冷茶は、鮮やかな緑色が美しく、見ているだけで涼やかな気持ちになれます。
免疫機能を高めるエピガロカテキンやビタミンなど健康成分が豊富に含まれている冷茶は、季節を問わず積極的に取り入れたい飲み物です。夏場に飲むなら手軽に作れる冷茶はいかがですか。
この記事では、お茶本来の味と香りを存分に楽しめる、おいしい冷茶の淹れ方をご紹介します。ぜひご家庭で試してみてください。
目次
冷茶の抽出方法
冷茶の抽出には次の3つの方法があります。それぞれの味の特徴や抽出に適した茶葉をまとめました。
水出し
5〜6時間じっくり時間をかけて抽出するので、まろやかなうまみと涼やかな色が楽しめます。ほうじ茶、煎茶、玄米茶などを抽出するのに適しています。
氷出し
溶けた氷のしずくでゆっくり抽出する、甘みが際立つ方法です。
ふくよかな甘みをもつ玉露に適しています。
急冷
しっかりとした渋みと、お茶の香りを味わいたい人向けの味です。
煎茶、玄米茶に適しています。
お茶の種類
緑茶は、茶葉を発酵させずに作られています。ポリフェノールの一種であるカテキンが豊富で、抗酸化作用や殺菌作用が期待できます。
カフェインを含むので、眠気覚ましや、リフレッシュしたい時にもおすすめです。代表的なお茶を4つご紹介します。
煎茶
いわゆる緑茶とよばれるものです。すっきりとした味わいと爽やかな香りがあり、ペットボトル飲料に最も多く使われています。水色が濃く、渋みとうまみのバランスがちょうど良い味わいのお茶です。
玉露
水色は薄く透明感があります。甘みとうまみが強く、上品な香りが特徴です。
ほうじ茶
香ばしい香りとまろやかな味わいが特徴です。
番茶
煎茶よりも渋みとコクがあります。さっぱりとして飲みやすいお茶です。
冷茶をおいしくいれる6つのポイント
冷茶をおいしく作るにはポイントがあります。紹介する6つのポイントを押さえて、ご家庭でおいしい冷茶をいれましょう。
ここでは、煎茶を使った急冷法の淹れ方をご紹介します。
水の硬度
水は、カルシウムとマグネシウムなどの含有量によって、軟水と硬水に分類されます。さまざまな基準がありますが、日本では一般的に硬度100mg/L以下を軟水、101mg/L~300mg/Lを中軟水、それ以上を硬水と分類しています。
お茶には、硬度30〜80mg/Lの軟水を使用したほうが、最も味や香りがいいといわれています。
水道水はカルキ消毒によるにおいがあるので、5分ほど沸騰させてカルキ臭を抜きましょう。半日ほど水をくみ置きしておくことでも、カルキ臭がとばせます。
お湯の温度
煎茶の場合、低温のお湯を使うとうまみのある味わいに、高温のお湯だとすっきりとした味わいになります。
おいしいお茶を入れるには、70℃程度のお湯を使用しましょう。
沸騰したお湯を別の容器に移すと、温度が約10℃下がるといわれています。3回ほど移し替えると70℃程度になるので目安にしてください。
茶葉の量
温かい煎茶の場合、茶葉は1人分2〜3gを使用しますが、冷茶を淹れる場合は、1人分5gを使用します。氷で薄まることを考えて、いつもより多めの茶葉を用意しましょう。
【茶葉の量の目安】
1人分 | 5g |
3人分 | 10g |
5人分 | 15g |
蒸らし時間
70℃程度のお湯をそっと注いだら、茶葉が開くまでフタをして1分ほど待ちましょう。しっかり蒸らすことで、茶葉のうまみが溶け出し、おいしいお茶に仕上がります。
急須を揺らすとお茶が濁ったり雑味がでたりするので、ゆすらずに静かに待つのが重要です。
二煎目(2杯目)を淹れる場合、蒸らし時間は10秒程度で大丈夫です。すでに茶葉が開いた状態なので、短い時間でもうまみが出ます。
注ぎ方
お茶は「まわし注ぎ」で注ぎましょう。
例えば、湯飲みが3客の場合、1→2→3と注いだら、次は3→2→1と戻るように注ぎます。そうすることで、お茶の濃さを一定にできます。
急須の中にお茶が残っていると、お茶の成分が出続けて、二煎目を淹れた時に苦みや渋みが強くなってしまいます。急須に入っているお茶は、最後の一滴まで注ぎきるようにしましょう。
氷
水道水で作った氷にはカルキ臭が残っています。おいしい冷茶を楽しむには氷の味も重要です。一度沸騰させてカルキ抜きをした水を凍らせるか、市販の氷を使いましょう。
まとめ
冷たくてさっぱりとした味の冷茶は、見た目も涼やかで、暑い夏にぴったりの飲み物です。急な来客へのおもてなしにも喜ばれることでしょう。
いつも使っている茶葉を使って、さっと手軽に淹れられるのも冷茶の魅力です。ぜひお気に入りの茶葉を使って、おいしい冷茶を楽しんでください。